恋猫 



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俳句と源氏物語




  紅恥庵氏の初の俳句集、『恋猫』 

 平成六年から十九年の間に作られた俳句。


 表紙 源氏物語

 表紙絵の源氏物語は紅恥庵氏が図案を描いて作成したもの。 

 ご存知のとおり、2008年は源氏物語千年紀で、京都のあちこちで源氏物語に関するイベントなどが続いている。

その中でも、高い人気を集めたのが、承天閣美術館での山口伊太郎氏遺作展、『源氏物語 錦織絵巻』 である。

当初4月から7月6日の予定だったのが、7月21日まで会期延長が決まったほどの盛況ぶりだ。

その遺作展に紅恥庵氏による図案が展示されている。
源氏物語の第1巻、2巻はすべて紅恥庵氏が図案を担当した。 
御覧になった方ならお分かりだろうが、かなり見ごたえのある作品展となっていた。

『恋猫』表紙を見ても、西陣の職人達の仕事振りが充分伝わってくる。


 版画

 
俳句集ではあるが、紅恥庵氏の版画や随想があり、趣向を凝らした一冊となっている。

 版画は全部で8枚載っている。  本を読めば分かるが、これらの版画を贈られた子がいかに幸せなことか容易に想像できる作品となっている。

 

 
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  恋猫の猫はこの猫…??? 紅恥庵氏の愛猫“PIPPI” ↓        版画を贈られた紅恥庵氏の初孫↓
  
              

  


 
 
  京都新聞 『詩歌の本棚   新刊評』 で俳人である 辻田 克巳氏による『恋猫』の評が載せられました。   以下2008年 5月10日 京都新聞の記事全文。


北村紅恥庵の『恋猫』(東京四季出版刊)は、平成六年から十九年までの句業から300句に絞って一巻としたもので、明言はないが勢いからすれば続刊が期待できそうな充実ぶりだ。

「あとがき」によれば、稽古事が好きで、謡曲、南画、茶道、書道、陶芸など「仕事に役立つ」ということもあって十年二十年と続けてこられた中の俳句という。

古希を過ぎたばかりの生粋の西陣生まれの三代目紋様匠。但し職の現場やこれに基づく発想の作はほとんど皆無で、読み進むほどに、著者がいかに際やかに日常を離れて俳の世界を漫遊しているかが見て取れるのだ。

妹の位牌は小ぶり魂祭

・留守電に声残し逝く子供の日

・涼しさの貴船泊まりや水の音

・竹落葉細めに開けし厠窓

・骨太の日傘をさして男老ゆ

・鯛焼やぬり絵のすきなをんなの子

・蛤のひとり言きく昼の雨

・冬の川石一つ投げ戻り来る


俳句始めは昭和六十二年、「青」にも入ったが数年にして終刊、ずっと「きりん」に拠りつつ梶山千鶴子主宰と行を共にしているとあるが、天賦の才に加えてその俳歴の筋のよさばかりがみえる作品群である。

人間やとりわけ男の存在的淋しさが、深い所にみえていい。

枝豆や気位高き猫とゐて

・羅をつけ一線を画しけり

・体臭のほのかにふれて蛍待つ

姫始ほか、かなり際どい表現にも寡ならず出くわすが、大人の芸としかみえぬのはさすが風格というもの。

「猫の恋」をはじめ数篇の随想が巻末に「季語の余滴」としてあるが、いずれも後記として読める洒落た小品ばかりだ。


 
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